久しぶりの休みだったけど、結局バスケがしたくて、黒子・フリ・河原・福田でストリートバスケに来た。
そこには偶然赤司もいて、ちょうど人数的に3on3をすることになった。
……この時は本当、ただの偶然だと思ってたんだけどな。
とにかく。ジャンケンの結果、俺と黒子とフリが同じチームになった。
「やるからには勝つぜ!」
二人の肩に手を置き、そう意気込む。
「お、おう!」
「もちろんです」
けど、妙に痛い視線を感じ、振り返ると、赤司がやけに険しい顔をしていた。
……いくら試合前とは言え、あれは変だよな?
二人の肩に手を置いたまま少し屈み、声を潜める。
「なんか、すっげぇ赤司の奴が睨んでんだけど……気のせいじゃねえよな?」
「そうですね。でも、ただの嫉妬だと思うので、気にしても仕方ないです」
「嫉妬?」
「赤司君は降旗君のことが好きみたいですから」
「えっ!? マジで!?」
「な、何言って……!?」
「と言うより、二人は付き合っているみたいなので、降旗君も赤司君と同じチームの方が良かったですか?」
「いや、それは別に……って、そうじゃなくて! なんで知ってんだよ、黒子!?」
「見ていればわかります」
さすが、黒子の観察力。
「おそらく、赤司君がここにいたのも偶然ではなく、降旗君から今日のことを聞いて、ここへ来たんでしょう」
「そうだったのか!」
よく考えてみれば、こんな偶然、できすぎてるしな。
「じゃあ俺たち、邪魔なんじぇねえか?」
「そうかもしれませんが、何も降旗君は赤司君だけのものではないですから」
「そりゃそうだ」
「赤司君が、降旗君に相応しい相手なのかも見極める必要がありますしね」
「たしかに」
赤司が悪い奴じゃねえってのは聞いてるけど、第一印象が“アレ”だからな……。
フリは文句なしに良い奴だし、俺らが見てやらねえと。
「……二人とも、普通に話してるけど……引かないわけ?」
俺と黒子の話に、ようやく当人のフリがおずおずと入ってきた。
「何が?」
「いや、だって……俺たち……男同士、だし」
「珍しいことではあるけど、引くことでもねえだろ」
「火神君は海外での生活が長いので、余計にそう思うのかもしれませんね」
「向こうでもそう多くはねえだろうけど、基本的に何でも自由だからな。こっちじゃ、周りの目とかあんのかもしれねえけど」
「そうですね。まだ偏見も多いと思います」
「けど、黒子も特に気にならねえんだろう? お前は本の影響とかか?」
「さあ、どうでしょう。いろんな人を観察しているのも原因かもしれないです」
「何にせよ、引いたりはしてねえってことだよな」
「はい」
「俺、最初は結構それで悩んでたんだけど……」
「早く俺らに話しときゃあ、そう悩むこともなかっただろうに」
「それが言えないから、悩んでたんだって!」
「そういや実際、主将(キャプテン)はこういうの嫌いとかって言ってたか」
「いえ、いわゆる『オネエ』と呼ばれる人たちの言動が苦手なだけであって、こういう場合は当てはまらないと思います」
「じゃあ、ちゃんとセンパイたちにも言っとかねえとな!」
「河原君と福田君には、この後話しておくことにしましょう」
「いや、広める必要ないから!」
「大丈夫です。みんな、降旗君を応援してくれますから」
「それはありがたいけど……」
「味方は一人でも多い方がいいだろ? なあ、黒子」
「はい。僕たち、仲間じゃないですか」
「火神、黒子……」
やっとフリに笑顔が戻ってきたと思ったら、後ろから凄まじい殺気を感じた。
「キミたち、まだ作戦会議は終わらないのかい?」
あとで聞いた話によると、河原と福田は赤司に「キミたちが羨ましい」とか言われたらしい。
その時は何のことだかわからなかったけど、試合前のこの一言で、何となく察しがついたんだと。
赤司の奴も、フリのこととなると、感情的になっちまうんだな。
おかげで試合は楽勝だったけど、点決めてフリとハイタッチする度、殺意のこもった目を向けてくる赤司とは、できれば二度とやりたくねえ……!!
本当スイマセンでした!!!!(スライディング土下座)
こちらは、前回の『初夜』を書いた翌日、またオフ友に送りつけたものです(笑)。
赤降好きの彼女は、一年生みんなで仲良いのも好きだと話していまして。私もそれ好きなんだよな、ってなって、書きました(笑)。
何て言うか・・・CPはこだわりが少ない分、自分の好きシチュとかをテキトーに入れられて、楽でした(←)。ファンの方々には大変申し訳ないですが(滝汗)。
('15/12/20)